技術書典7に参加するに当たって技術書とプログラムを作成したメモ 経緯と売り上げ、あと感想

目次

経緯

学位を取るための論文執筆が死ぬほど辛かった私は執筆の経験が浅いから苦しんだのだと仮説を置いた。

この仮説を検証するために論文よりレベルを落として薄い本を書くことを思い立った。

とりあえず知識を整理してブログにまとめようかと考えていたところに技術書典というイベントの存在を友人から教えられた。

技術書典というイベント

技術書典とは技術書の書き手を増やし、技術書の流通を増やすという目的があるらしい。

技術書というもののジャンルがどういうものか分からなかったので2019年に技術書典の説明会に参加した。

簡単な説明を受け、グループディスカッションの中で、どういう本を出そうとしているのか、自分の分野はなんなのか、という話をするうちに自然言語処理関連のノウハウや知識をまとめることはポジションを取れそうだという感触を得た。

そこから本を書くことを明確に意識し始めた。

技術書というジャンル

実際に技術書典に参加してみて回ったところ、 単純な知識をまとめた本からノウハウ、やってみた系など からドキュメントの日本語訳という感じのものもある。

ここだとアルゴリズムの実装と解説とサンプルプログラムのセットというのはニッチを攻められるんじゃなかろか?と思い立つ。

本のテーマ

word 2 vecという単語の意味を分散表現で得る手法について実装した経験があったから、とりあえずその内容を本にすることにした。

実装に当たっては英語の資料を参考にすることが多かったので、日本語でまとめ直すことには価値があるのではないかと執筆の動機を得た。

製本

コピー機の占有

まずは隗より始めよという言葉に従い、印刷所に依頼することをせず、コピー本より始めた。

コピーに当たってはセブンイレブンのネットプリンを利用した。

セブンイレブンの印刷機は製本モードがあるからである。

事前調査からそれなりの部数を見込める算段がついていたため、100部程度印刷した。

それによって一万円程度の印刷費が必要となった。

小銭で一万円は到底用意できない。

このためだけにnanacoを用意することとなった。

本来の利用例の想定外の枚数だったらしく、印刷の途中で用紙切れを起こす、コピー待ちの男性にいつまでやってんの?と聞かれたりした。

結局1時間はコピー機の前で印刷が終わるのを待っていた。

印刷所に依頼すればよかったと後悔した。

ホッチキス止め

印刷した紙はホッチキスで製本した。

これも部数が多かったため骨が折れた。

また印刷後にネットのデータへアクセス方法を掲載し忘れていたことに気づいた。

急遽Googleドライブのリンクを挿入するという方法を取ることとなった。

リンクを後から挿入するためにQRコードを印刷した紙を差し込むこととした。

頒布方法

イベントとネットの二つを用いた。

イベント

事前の調査ほど人は来なかった。

とはいえ10冊程度は配布できたので、印刷費は回収できた。

売り上げが伸びなかった原因としては、 コピー本ということと表紙のラフさが原因かと思う。

よその本は製本がしっかりしているものが多かった。

おそらくコミケなどで以前から書籍作成のノウハウがあるのかと思う。

これは以前からのノウハウが蓄積されているのだろう。

booth

たまに売れる。

データのみの販売なのでプログラムのリンクを書籍の方に入れる必要がないのがよい。

後にクラウドファンディングを実施した際に実績として紹介した時に売り上げが伸びた。

広告と信用力を上げることが売り上げにつながるいい例だった。

よかった点

  • 印刷代を回収できるだけの売り上げはたった
  • イベントに出店することができた
  • 原稿を落とさなかった
  • ネットでデータ販売できるためストックになる

反省点

  • 印刷所を使うことを検討してもいいかもしれない
  • ネットへのデータを利用できる方法を用意しておくとよかった
  • 表紙がラフだったのでカラーイラストを用意するとよかった
  • プログラムがメインの内容だったので、実機で動く様子を見せる方が関心を引きやすかったかもしれない
  • 交流範囲が増えなかった

次回への課題

  • 表紙をカラーにする
  • 製本をちゃんとする
  • 告知を強めにする
  • 印刷代を確保しておく

参考リンク


See also