合コンに行ったら女がいなかった話の感想

目次

概要

大学に入った男がやることといえば、そう、合コンですね。 大学生といえば合コン、合コンといえば女の子、そんな思い込みはぶっ壊れます。

大学の知り合いの女性に誘われて合コンに行ったはずが、 そこには息を呑むような美男子が三人!

男6人で始まった合コンはどうなるのか?

感想

ラブコメですね。

著者の前作も異性装のコスプレが主題だったので、 この著者の魂の叫びがここにこめられているのでしょうね。

個人的には同人作家と天然くんのペアが気になります。

独自性

やはり外見的な性別が男女を行き来する女性を相手にときめいてしまうのは正常なのか?という葛藤でしょうか。

物語を作っていく立場での考察

とはいえそこの葛藤は前作で描き尽くしたという感じなのか、 あまり心理描写には触れられていません。

どうも作品としての独自性と著者の描きたい方向性が噛み合っているのか疑問です。

というのもストーリーが描けているのは同人作家と天然くんのペアだと思うんですよ。

で、そのペアは外見に対する葛藤を抱えていないペアです。

つまり作品の特徴が活かされていないペアになります。

このペアは恋愛感情が一番薄く、 また発展する可能性もなさそうです。

二人は作品内の性的描写を見せたくない同人作家と天然くんがその描写に勘づくかどうか?という話がメインです。

同人作家ネタを打ち込むだけでいくらでもストーリーが展開できるでしょう。

しかし、それではただのサブカル趣味の女性と趣味に理解のある男性という話でコスプレが関わってきません。

登場人物が抱える葛藤

男性側は女性の見た目が大きく変化することに戸惑う様子が見られます。 一方で女性側にコスプレに対する葛藤が見られません。 ということはその二者のコスプレに対する認識の差を描写するのか?というとそうでもなさそうです。

前作では外見の変化によって正体をバレないようにいかに立ち回るか?というテーマでした。 それが今作ではどのようなテーマがあるかというと、 これがなかなか難しい。 なにせ登場人物は互いに理解がある程度ある、という状態なのでこれ以上歩み寄る必要もないし、距離感が離れる要素もありません。 つまりハラハラがありません。

優しい世界といえばそれまでですが、 その上で物語が動いている感じを出さないと 読者として感じる引力が弱いな、と思います。

テコ入れとして当て馬を登場させるというのが恋愛モノの鉄板だとは思いますが、 そうすると登場人物が膨れ上がることは避けられません。 現時点でも主役級が6人居るのでそこから更に人数を増やすと キャラを持て余すことでしょう。 合コンに男しかいない!というアイデアは面白いのですが、 6人全員扱おうとすることの難易度が高いです。

となると単純に考えると人数を減らすことです。 これによって物語の視点が集中し、 管理すべきキャラも減り、 キャラごとの物語における役割もシンプルになるでしょう。

ただこれはただの読者に過ぎない私の意見です。 著者が描きたいものは別にあるかも知れないし、 世間にウケる要素は他にあるかもしれません。

類似ネタ

姿形が変わり、正体が割れている、となるとプリキュア?

魔法少女ものの変身とはまたすこし状況が違う気がするなあ。

参考リンク


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